コミュニケーション
コミュニケーション力の向上
言葉を理解する
園や学校などで、指示通りに動けなかったり、言葉は話すものの他者とのやりとりになりにくかったりするお子さんの場合、先生やお友達に「ちがうよ!」と注意される機会も増えます。しかし、本人は『わざと』やっているのではなく、言葉がけの内容を理解していない可能性や、相手の言葉に応じるということがわかっていない可能性があります。お子さんが言われたことを理解していくためには、短く具体的な言葉をかけたり、絵やジェスチャーを使ったりしながら、言われた直後に実際に行動できるように促します。
質問に答える
このほかにも、「何をするもの?(用途)」「どんな様子?(副詞)」等さまざまな質問に答えられるよう練習していきます。徐々に、日常の質問に答えることや、自分が経験したことを報告することにつなげていきます。
説明する
代替コミュニケーション
発語の難しいお子さんの場合は、言葉に代わる代替コミュニケーションについて検討します。マカトンサイン※やジェスチャー等で伝えられるように練習をします。
マカトン法で使用されるサインです。マカトン法は、イギリスで考案されたコミュニケーション・言語指導法であり、理解、表出の向上が促されると言われています。マカトンサインは、日常生活の中でお子さんが理解しやすいサインになるように簡略化されています。また、お子さんが表現するのに細かい指の動きを必要としないように工夫されています。マカトン法は、お子さんの発達レベルと、生活状況に応じてステージが構成されており、段階的にお子さんに合わせて教えていけることも特徴の1つです。
◎ほかにも・・・話を聞くときは相手の顔を見る、相手の話をさえぎらず最後まで聞く等会話のルールに関することや、相手の表情や気持ちの理解等、様々な課題を取り上げ、練習していきます。
「トイレに行きたい時にもじもじする」というお子さんに対して(きっとトイレに行きたいのね)と要望をくんでトイレに連れて行ってあげるということは日常の中であると思います。ただこのお子さんは、言葉を使わずに、「もじもじする」ことによって、本人の要望をかなえることができています。当相談室の中ではトイレに行きたい時に、もじもじすることではなく、「トイレに行ってきてもいいですか」など、適切な言葉で表現することを教えることで、生活の中で、相手に伝わるコミュニケーション力を高めていきます。